ー 2015年6月26日

ニットとカットソーの違い

今日は、最近よく聞かれる「ニット」と「カット」の違いについて
少し触れてみたいと思います。
(少し、少しね^^; よく周りから「文章ながっ!読むの、しんどいわー」って
突っ込まれるので…( ;∀;))

ニットとカットって言い方、つい最近まで業界の人は皆通じるものと
思っていました。
でも、案外そうでもない気がしてきたので、簡単に説明してみたいと思います。
あくまで、私なりの実体験で括りますので正式に知りたい人はググってね^^;

●ニット:1本の糸が繋がってて布地の様な面積を持つものの総称ー
     これだけだと、横編・経編・丸編全て含まれます。
     又、それら面積を持つもの=編地を材料として服の形に仕上げたもの

●カット:ニットの中の経編・丸編で生成された反物状の布地=編地を
     パターンに合わせて裁断して、ミシンで縫製して仕上げたもの

一見、「そう違わないじゃん」ーと思われる方も少なくないと思います。
私も書いててそう思う。
ただ、上記のニットの中の経編、丸編などで形成される布地はジャージィと総称され、
ここで言うカットとは、布地の作られ方ではなく服状のものの区分として使われています。
それと比べて、ニットという言い方は、布地状の作られ方と服上のものの区分と両方に
使われます。ここがややこしいんですね~ きっと。。

だから、ものづくりにあまり詳しくない会社の方でニットデザイナーと
カットソーデザイナーをまとめて「ニットデザイナー」として募集
される
場面も見掛けますし、ネットショップなどでもカットソーの製品を「ニット」と説明して
いるお店に出遭ったりもします。
特に、若いお店で伸びる布地の物=ニット とくくっちゃっている向きも…( ;∀;)

ちょっと、話がそれました。。。

ここで大きく違うのは、ニットの方はその編地を作る際の「1本の糸選び」
から出来るノウハウをどれだけ持っているか…そのスキルレベルなんです。
ここにニットデザイナー独自の経験則が存在します。
ニット=横編ニットに区分すると、ニットデザイナーは布地にあたる編地段階から
シルエットや組織を含むデザイン活動が始まります。

ここの知識が薄いと、カットのデザインは出来てもニットのデザインは出来ないのです。

思い切って自社でデザイナーさんを雇おうと思っている企業の方も
転職をお考えのニットorカットのデザイナーさんも、是非ここは
注意して確認しあい何が強みのデザイナーが必要なのかをお互い見極めて
くださいね^^
…って、誰に言ってんだろ、ワタシwww

ー 2015年6月25日

ニットデザイナー歴30年近くなり、ふと思うコト

先日、クライアントさんとの商品企画MTGの合間の雑談でのこと…
「…鈴木さん、本当にプロと言えるニットデザイナーさんって、
今そんなに少ないんですか?」
(※ クライアントさんは純アパレルではないので川上の事には
   詳しくない方々です)
「どうしてそんな質問を?」
「先日聴きに行ってみた〝日本製ニットの未来についてー”という
セミナーで講師の先生が仰ってて…」と。
「そう言えば、私もちょいちょい【絶滅危惧種】と言われます^^;」
なんて話をしたのですが、
聞いてみると知人が講義を務めたイベントだったみたいで☆彡
世の中は狭いです~。…というか、ニットデザインをきちんと
できるデザイナー人口自体が少ないからかもしれませんが。。。

…では何故私達は絶滅危惧種? になってしまった…のか?
自社にとってもとっても大事な環境の問題ですし、
せっかくなのでちょっと思いふけってみます。。。

 ➀ 女性が担っていた比率が非常に高い職種だからー
    …結婚・出産と共に業界を去る人が多いと思います。

 ➁ アパレル企業内でデザイナーの人材層を維持しない企業が
   増える傾向にあるからー
    …今の現実は商社さんやOEMメーカーさんが持ってきたデザ
    インにのっかるとか、写真などを渡して似寄りの物を作って
    来てもらって、実物を見てから検討する企画法が一般的に
    なりすぎた為、アパレル側や企業内のデザイナーに
    ノウハウが溜まらなくなり、どこでコスト圧縮して
    どんな原価の商品を仕入れているのか実値もわかりにくく
    なってしまい、価格と価値がバランスしてるのかも判断
    つきにくくなってきた。(MD・生産担当者も同じく…)

 ➂ ➁の傾向に伴い、企業側が商品製作に接することを知らない
   デザイナーばかりを育ててしまったからー
   (勿論、今でも専門職の人材育成に力を入れている企業も
    ありますが、一般論の傾向として)
   …特に、ニットデザイナー/パタンナーの場合は、ニット工場
   の現場の方々と喧々諤々しながらでなければノウハウを蓄積
   する「場」はありません。ここがキモかもしれません。

   何故なら、布帛(織物/反物)を扱うデザイナー・パタンナー
   のノウハウは、一応縫製技術などを学ぶメソッドが専門学校
   で確立されているので一通りの知識を持って就職後の実践で
   ブラッシュアップしますが、ニット(編物)について学べる
   デザイン学校は国内ではごく僅か東京にあるのみで、
   その大半は就職してから基礎から実践で身につけるしかあり
   ません。

   又、ニットは布帛の生地に当たるテキスタイルを糸選びから
   始めて作り上げねばなりませんが、卓上ミシンの様な身近な
   機械設備ではないので工場に委ねなければ何も始まらない
   のです。
   その為には、どの工場さんにどんな機種の、どんな編み幅の、
   どんなゲージの、どんな特性の機械設備があるのかという知識
   や、リンキング設備がどれくらいあるのか、協力工場・内職
   委託などの体制はどんな感じなのか…など、縫製ラインの設備
   への理解も重要になります。
   それらは全て工場毎に異なるので仮に専門の学校で学んだ人
   でも現場での学びが無ければ役には立たないと思います。
   そして、それら、現場のニット・ノウハウを体系化して残して
   いる企業はほぼないに等しいと推測され、個々人に帰属してい
   るのが現状ではないでしょうか。
   …加えて、糸選びから自社の企画をするアパレルの生産体制
   の流れが激減した事で、糸の種類、番手とゲージの相関など
   を学ぶ機会も得られないので応用が利かない。すなわち、
   オリジナルを企画できない。。

 ➃ ➂の傾向に伴い、どんな糸を選んで、どこの工場の機種の
   編機でどんな編み方の編地にしよう、とか、どんなシルエッ
   トを編もう、とかの発想自体が生まれない。
   …なので、工場の現場とコミュニケーションを取る必要性も
   生まれない。

そんな状況の積み重ねも原因の一助と思われますが、最近は糸屋さんが
アパレルの企画室に営業に行って新作の糸を紹介しても???な様子で
反応してくれない…のだとか。。
…なので、ヤーンメーカーさん達は営業先をアパレルから産地などに
力点を移してらっしゃるように感じます。
(お陰で当社の様なチッチャなニット企画会社にも来て下さる
 先様が増えました。ここは非常に有難いです^^;)
 
…他にも色々あるかと思いますが、今のニットデザイナー/パタンナー
の現状とはこんな感じではないかと推測します。

…でも、こうなってしまった要因は勿論自分達も他人事ではなく
業界の先人としては黙認してきた当事者の一人であり、原因の
一つになっているかもしれません。。

じゃあ、これからのニット業界の後輩に私達には何ができるのか?
ーここを、最近良く妄想します。
どうしたら、ニットデザイナーさん(ニットパタンナー含む)達が
スキルアップできる環境になるのか。。。

私達の頃には教えてくれる先輩が沢山居ました。
今の人達にはその「先輩」が居ない、仕事の「相談相手」がいない。
会社内に資料がない。デザインを考える為の編地や糸の資料がない…
そういう部分を補完してあげれたら、少しはお役に立てたりするのだろうか。。

これを読んでいるデザイナーやパタンナーさんへー
皆さんの環境はどんな感じですか?
何が足りないと思いますか?

今はアパレルよりOEM-ODM企業にお勤めの方の方が多いかも
しれませんが、技術やノウハウを教えてくれる先輩はいますか?
デザイナーとしてスキルアップしたいと思いますか?
思っている方は、それが出来る環境になっていますか?

皆さんの生のお話も聞いてみたいので、良ければ気軽にコメント
下さいね。 宜しくです^^
 

ー 2015年6月23日

いつでもどこでもユニクロ?

先日、あるコンサルの方とお話する機会があったときの話。
「昨日のワールドビジネスサテライト観られましたか?
ユニクロの柳井さんが又新しい戦略を発表されてましたねー」と。。

「すいません、観てましぇん。知りません。。。(..)」

ーその記事の内容とは、ファーストリテイリング社がアクセンチュア
という外資系コンサルとタッグを組んで「いつでもどこでもユニクロ」
を合言葉に、朝起きた時から通勤中でも歩きながらバーチャル試着と
ネット購入ができる……システムみたいです。

以下、テレビ東京のWBSの記事を引用しますー
ユニクロの新世界戦略
———————————————-
ユニクロなどを運営するファーストリテイリングはコンサルティング
大手アクセンチュアと提携し、ITを駆使したこれまでにない新サービス
を始めると発表しました。
その内容はいつでもどこでも誰でも買い物ができるという未来像。
それを実現するために行うのが来店客のデータ集め、会員化です。
全世界3,000店舗で集めた客のデータを生産現場や世界9万人のスタッフで
瞬時に共有をすることで全く新しいものづくりと販売システムを生み出す-
———————————————-

確かに、私達の服の買い方が大きく変わるかもしれないインパクトは
スゴイかも。。。
ここ数年、大手アパレルの不振が取沙汰され冷え込んでいる業界において、
又もやファーストリテイリングさんが、アパレル界のパイオニアイメージを
独走態勢です☆彡

ーそしてまた、私達つくる側の人間も、ただ「つくるのが得意」だけでは
生き残れない時代の到来であることをしっかり受け止めなくっちゃ…と
思い知らされます。

私が所属する神戸デザイン協会の会員さんの中に、いつもウエアラブルカメラを
眼鏡に装着しておられる方がいて、ウインクでシャッターを押せるのを
見るにつけ「凄いな~☆」と単純にびっくりさせられますし、話題の
アップルウォッチを真っ先に入手して身に付けている人もにチラホラと。。。

そう言えば22年位前、今の原型となる携帯電話が出始めた時にも、
イノベーター達が真っ先に持ち始めていましたが、私は震災で必要性を
感じるまで手にしていなかったマジョリティー組でした( ;∀;)

今や、携帯-スマホなしでは生活が困難な人の方が大半?!
たった20年程で…
そういう意味では私達アパレルのものづくり系も、ただそこに留まらず
最終的に購入して下さるお客様にどれだけ接近できるかという視点が
重要なのだと思わされる記事でした。

…ただ、このニュースの中でちょっとギモンに思ったことは、
ユニクロの様なタイプの服をバーチャルで確認してまで
どれくらいの人が購入するのかなぁ~と。。。
私はユニクロを買った事も着たこともないので分りませんが、
(注/決してユニクロさんや商品にどうこう思っていませんよ。
真反対の側の商品企画提供している立場として職業上痩せ我慢して
着ていないだけです<(_ _)>)
その人気は手軽さと値段に対する価値観、そして分り易い商品構成?

確かに、実際に袖を通さなくてもある程度サイズ感が分っていれば
自分のボディにバーチャルで重ねてみれば似合うかどうかの判断が
付く商品かもとは思いますが、多分ものすごい開発費が掛かっているの
でしょうしそれだけの費用対効果はあるのか。。。
その「戦略」と言っている部分については数字がニガテな凡人デザイナーの
私には計り知れません。。

そうそう、それと、もう一つびっくりした事は、これだけ世界中に
店舗拡大しているユニクロさんが顧客管理してなかったんだ~(@_@)って
こと。。。
まさか誰も気付かなかったはずはないので、多分敢えてやってこなかった…
って考えるのが正しいのかな?
でも、そんな大声でそれを「戦略」って言っちゃうのはチョット……
と思ったのは私だけ^^?

ー 2015年6月12日

インプルーヴは【経営革新計画] の承認 を頂きました☆

またまた、投稿に合間が空いてしまいました…
なかなか毎日…どころか月一すら…で情けないですが、
又仕切り直して投稿頑張りたいと思います☆

さて、久方振りの投稿となりますが、ここで皆様にご報告させてください!
年明けから色々な方からアドバイス&応援を頂きながら
4月いっぱいまで掛かってこちらの兵庫県経営革新計画申請にトライしてました。

ファッションデザイナーとしての仕事では普段絶対に使わない部分の脳をフル活動させ
フラッフラになりながら…( ;∀;)
一番皺が少ない脳領域だけにホント、ヘトヘトになりました~w

…で、頑張った甲斐あって先月何とかこのマークと承認書が届きました~
ヤホッ☆

こちらが、承認書です↓
経営革新計画承認

認定頂いた申請テーマは
【服とココロ・カラダを科学したベストスペックで課題解決するニット服システム】
というもので、内容については、今後のインプルーヴの活動にご期待下さい♪

実は、この「経営革新計画」というお墨付き(?!)が、一体何なのか、
未だに分っていないのですが、当社が今考える新しい考え方・方向性について
第三者からの評価を頂いてみたいという思いから挑戦してみた次第です。
この承認を得るには、全国初、若しくは兵庫県初の商品・サービスでなければ
認定を頂けない、とてもハードルが高いものだそうです。
参考:中小企業新事業活動促進法に基づく 経営革新計画承認のご案内

なので、承認頂けたという事は、兵庫県からも応援してもらえる事業プランなのだと
チョット自信が持てました。 
連日貫徹をしながら諦めずにやりきって良かったです^^

ーImproveは創業から15年目を向かえます。
2001年から社名の通りのspiritは変わりませんが、いつまでも同じところに
留まっているだけでは変化もワクワクもありません。
これまでのニットデザイン・企画業務の請負事業だけでなく、
これまで皆様に支えて頂いて得たノウハウやスキルを活かし、
今まで以上に社会にお返しもしていきたく思います。

ニットの伸びる力を存分に活かし
〝1本の糸から未来をImprove(改善)”する企業を目指して参ります!

これからも暖かいご指導・応援をどうぞ宜しくお願い致します<(_ _)>

Improve@Suzuki

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