デザイン出しからドレーピング
こんにちはー。
「ニットの伸びるチカラで1本の糸から未来をインプルーヴ(改善)!」を目指す 『インプルーヴ』 です。
先日は、アパレルデザイナーの【デザイン出し】という仕事について書きました。
そしたら、色々反応を頂いたので、案外興味を持って下さる方もあるようで~^^
今日はちょっと続編を。。。
ニットデザイナーとしての私のデザイン出しの作業は、先ず、
➀試編みの依頼 から始まります。
試編み(しあみ)=文字通り、初めて扱う糸を実際の編地(一定の面積状のもの)に
編んで貰います。
その際に、斜行などの糸の品質は勿論の事、その糸が持つハリコシや、逆にドレープ感など
その糸が編組織によってどんな特徴を発揮するのか、粗方のデザインイメージに沿って
工場さんに編地依頼書を作成して編んで頂きます。
② それが届いたら、トルソーにあててみて、ピンワークでドレープやタックの出方を確認してみたり、
リブ部分と天竺部分の縮みの差寸の出方を確認したりしながら、
身頃や袖、衿のデザインなんかを細かくイメージングさせていきます。
いくら、イラストの段階で出来上がっていても、実際の編地で見てみないと。。。
(それでもサンプリングしてみたら、イメージ通りできない…時だってありますが(~_~;))
実際の編地があると、編地の方向を変えるだけで光沢や編地の靡き感の変化などを確認する事ができるので、
それによって新たに閃くイメージも多々あります。
こちらは、本来、袖口リブの物性確認に編んでもらった部分を
前中心に施してみたらどんなシルエットが生まれるだろうか…と
ピンワークでドレーピングしてみた写真です。
FCに縦長ラインをつくることは、人の目線を縦長に錯覚させる効果があるし、
着物風のスリーブラインは胸のふくよかさを悪目立ちさせない効果があります。
今回は「今のトレンドがどうこう…」 から、敢えて少し距離を置いて、思考を巡らせてみています。。。
具体的には「細く痩せてみせるにはどうしたらいいだろう…」 なんていう、女性なら誰でも考えるコト。
それを突き詰めたらどうなるか…
後は、
「後ろ姿で褒められるようなデザインにしたいな」 とか、
小柄な方でもカッコよくワイドパンツを着こなせるトップスにしたいなー」 とか、
「無造作で着てサマになるデザインって、あれば忙しい朝に便利よね・・・」 みたいな発想。
こうして「試編み」という、大切な工程を端折らないでデザインワークをすると、
ひとつの糸・一つのゲージ単体に留まらない発想も生まれます~。
これらは、全て、シルクピンという、いわゆる業界人用の「待ち針」で止め付けながら
形をつけています。
なので、ピンを外すと、全て平たい布地に戻ります~。
日常では、契約しているクライアント様のデザインワークをこの様に途中公開はできませんので、
今までこの様な具体的なワークのご紹介はできなかったのですが、
今回のこれらは、当社でこの冬にオリジナルとして生産してみようと思っている新商品のワークの工程なので、
だれにも叱られないのでフルオープンしてみました~(´艸`*)
普段、自社の仕事内容を説明する際に、「ニットデザイナー」や「ニットパタンナー」と言っても、
「実際どんな仕事かイメージ出来な~い」 と良く言われます^^; なので、
実はいつか機会があったら触れてみたいなーと思っていたのです~。
…さあ、次は、これらのドレーピングによるイメージワークを経て広げたデザインから、
実際にサンプリングするデザインを選定する工程に入ります。
そこに関しては、ニットパタンナーとしっかり吟味して、実現可能な形に落とし込んでいく
作業がとっても重要~☆
…というところで、つづきは又の公開の機会にをお楽しみに♪
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