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ー 2013年8月23日

今年の秋冬、店頭の「オシ」はフェイクファーとチェック柄ニット?

こんにちは インプルーヴです

毎日本当に暑くてムシムシしてて、ぐったりする暑さが続いていますが
皆さんお元気でお過ごしですか?
先ほどのラジオニュースでも、今年の8/中旬の暑さは過去最高記録更新したそうです…(@_@。

そんなまだまだ真夏気候の中ですが、街中はそろそろ秋冬モードにシフトチェンジ。
先日、銀行巡りに御遣いついでにここ乙仲通から旧居留地辺りをウロウロしていたら
ここ、神戸のウィンドゥもファーストールなど暑苦し~いディスプレイに変わってたり、
新しいSHOPのオープン準備の様子などを見掛けました~。

 

先ず発見したのは、このお店。

洋服ではなく、車のお店ですが…^^;
こんなところにJAGUARのショウルームが出来てたの、気付いてませんでした~( ゚Д゚)

この場所は、確か、のりピーの覚醒剤事件で一緒に捕まった元旦那さんの実家が
経営していたスポーツウェアのショップ「JIRO」があた所ではないかと…

最近よくあるのですが、すっかり様変わりしちゃうと、その前に何があった所か
全然思い出せない… 歳ですかね~(;_;)

そして、こちらは旧居留地・メインストリートのルイヴィトンの西隣。

オリエンタルホテルのビルOPENに伴い、お隣に移転したヴィトン跡にプラダがお目見え☆
とうとうベールを脱ぎましたね~w
OPENは9/14だそうですよ。

この辺りにはBURBERRYなどの他、DeuxiemeClasse、BARNEYSNEWYORK、STRASBURGO…
と言ったセレクトショップが軒を連ねているエリア。
御遣い御遣い、、、と思いつつ…路面に面しているSTRASBURGO(ストラスブルゴ)さんに
ちょっと立ち寄ってみました。

入り口のトルソーにはフェイクファー(シール系?)のボリューム半袖の丸首プルオー
バーとスカートのスタイリング。 確か、ダルメシアン柄だったかなー。
店内の一番目立つラックにもハラコ風の黒無地で飾られ、並べてモヘアを編み込んだ
10G位のジャカードのプルオーバーが色違いで一番目立つ所に掛けられていました。

こちらに限らず、このAWの立ち上がりに眼に入るものに多いのがチェック柄のJQ。
私達からしたらとても懐かしのテクニックですが、市場的には大分ご無沙汰ですし、
加えて今期のコレクションで取り上げているメゾンが多かったので、予想の範囲では
ありますね。

お店の写真や商品を撮れないので、それがどんなだったのかはご紹介できませんが、
懐かしのチェックを表現するニットのテクニックについては、Improveのアーカイブ資料
から少しご紹介したいと思います。

先ず、これが一般的なWジャカードという編み方で表現したチェック柄。
これは、黒・赤のウールの捨てレート撚糸ヤーンとベージュの無撚ブークレ・ヤーンを
使って10Gで表現したものです。

そして、これは島精機の経糸挿入機・通称「SPL」と呼ばれる編機で編んだインターシャで
表現したチェック編地。これも10Gで編んだものです。

WジャカードとSPLインターシャでの仕上がりの違いは、ズバリ編地の厚みです。
こちらがSPL編地の裏。

ジャカードは1コースに数色の糸が渡るのに対して、SPLは以前書いたインターシャと
同じ原理なので、色毎に上に(縦に)連れていかれながら編まれていくので、1色分の
糸の厚みにしかなりません。
ただSPLには柄に制限があり、基本的にはチェックのみを作るクラッシックな機械です。
私の憶測ですが、多分昔男性用の柄ベストやセーターを作るのに重宝されたものでは
ないかと思います。 今は保有している工場を探すのも難しいかもしれませんねー

そして、チェック柄からはちょっと横道に逸れますが、経糸挿入の編機でいうと、
これは昔「カペルドーニ社」の経糸挿入機で作った柄編地です。

チェックに組んだ編地を地の目を無視してバイヤスにカットして、タータンチェック風
を表現してみた編地です。

こちらは同じ糸を使って柄違いに矢振り柄風にアレンジしたもの。
同じ経糸挿入機でも、SPLと比べると柄表現の幅の違いがご理解頂けると思います。

そして、こちらは同じ矢振り柄風で糸の組み合わせを変えた編地。
写真では伝わりにくいかもしれませんが、単に色が違うだけでなく、編地の厚みが
違っています。 その理由は使う糸の番手と相関するので細い糸を多く取り入れれば
薄くなるし、毛足が長い糸等を多用すれば厚みが増しコートまで作ることもできます。

こんな風に、私達ニットデザイナーはその工場さんがお持ちの機械の機種を活かして
如何に時代にあった商品を企画できるかを糸のセレクトからします。
こうした、工場さんと一緒に考え、創っていく作業が楽しくってニットデザイナーは辞められませ~んwww

ー 2013年8月9日

1996年当時のカシミヤ工場の見学記録

こんにちはー。 『インプルーヴ』 です。

今日は、先日アップした「カシミヤ」についての続きを書きたいと思います。

ーあれから、古い資料を探したら、昔自分がサラリーマンデザイナーだった若かりし頃
に出張に行った、内蒙古のカシミヤ一貫工場の出張報告書が出てきたので記録も兼ねて、
それをデータに取り込んでみましたので、こちらで記事にしておこうと思います。

その前に、以下、注意点…いえ、言い訳を3点ほど。。。(;^ω^)

➀ もう、紙芝居形式ですw お許し下さい!
➁ 工場の名前が写り込んだ写真が幾つかありますが、きっと今やこの工場も最先端に
なっている事と思います。この記録は1996年当時のものであり、先方が日本企業と初めて
輸出取引をした時のものですので今とは全く別物になっていることと思います。
ーなのであくまでも1996年当時の、とある中国の工場風景 の記録としてご覧下さい。
➂ 加えて、1996年当時のまだまだ駆け出しひよっこの報告書なので、説明の間違い
等も多々あろうかと思います。 そこは片目つぶって見てやって下さいませ。
(手書きのコメントも全部は消せず… お見苦しい点も含め、ご容赦下さい)

先ずは、1996年、初めて訪れたカシミヤの原産地・内蒙古自治区のオルドス地区の場所から。。。

 

≪中国:内蒙古 オルドス地区≫

移動方法としては関空から北京に移動。 取引先様は東京からだったので北京空港で合流。
そこから国内線乗換の待ち時間が6時間位あったので、時間潰しに北京市内を観光しようと

いう事になったのですが、生憎の豪雨だった為、初北京にも係らず人民広場も何もかもその前を

車で通っただけ…。 全く足跡を付けずに北京の地を通過~

あの時の一番の思い出は、その国内線の待ち時間での風景。。。
何せ、北京に行ったのも初めてで、中国の国内線空港に入ったのも初めて。
中国語も英語も全く分らない私は、ただ同行の商社さんに付いて行くだけの状態。
しかし、待てど暮らせど、私たちが乗る飛行機の搭乗アナウンスは掛らず…。
その内、その待合室で中国人はカップ麺やお弁当の様なものを彼方此方で食べ出し、
韓国人ツアーの一軍は、地べたに円陣を組んで、真ん中にキムチを広げて皆でお箸を
回して食べ始め、俄かに宴会状態…

待合室のゴミ箱には食べ残しが入ったままのお弁当などが山積みの積木状態で、今にも
倒れんがばかり… まるで「ジェンガ」です。
そして… 何よりそれらの混ざった臭いが半端なくて… ((+_+)) 当然ながら、空港に開閉

窓はありませんので、すんごい篭り様でした…

ーそうそう、結局8時間位遅れでやっと乗った国内線、 私の座席は窓側だたのですが、
その内壁にガムテープが貼ってあって… 一部プラスチックが割れてたか何かだったの
かもですが、これが何よりの恐怖でした~(;_;)
ガムテープ貼って補修している飛行機なんて、マンガみたいな話ですが事実です。
無事に帰れるのか、、、と心底心配しました。小さい飛行機でしたしねー。怖かったっ(笑)

何時間乗ったのかは忘れましたが、包頭(バオトウ)という所に降り立ち、そこから

迎えに来てくれていた四輪駆動車でオルドスまで確か約4時間。。。
現地に着いたのは明け方の4時。 途中何も食べていなかったので、着いたらホテルが
ラーメンの様なものを作って下さったのを覚えています。
あの空港では、誰も何も食す気にはなりませんでしたからお腹ぺこぺこでした~(´・ω・`)

 

 

ここから本題、デザイン依頼の打合せの合間に工場視察させてもらった時のレポート。

≪カシミヤの種類/大別≫ これが、cashmereの原毛の写真です。 当時頂いたパンフレットから抜粋しました。

7/30のブログに「カシミヤについて」の資料発見☆」というテーマで載せた記事にも紹介しましたが、
カシミヤは、刈り取られた際のカシミヤの色によって
・ホワイトカシミヤ
・ライトグレーカシミヤ
・ブラウンカシミヤ …… と大きくは3つに大別され、その中から又数段階に別けられてランク毎に価格付け

されます。
勿論、言うまでもなくホワイトカシミヤが一番高級です。

 

≪原毛倉庫≫ 毎年、5月中ごろに刈り取られた原毛を買い取り、ここで保管されます。

この段階から地域別LOT管理するそうです。

≪選毛工程≫入荷時のPP袋には、刈った時のままの土埃や葉っぱゴミ、などか混ざったままの状態。

それを全部手作業でゴミや剛毛と産毛とに仕分けしていきます。 この段階で大体半分の

量になるそうです。 因みに、婦人セーター一枚でカシミヤ2匹分程度の量が必要だそうです。

日本の工場なら≪篩加工≫に当たるのがこの工程? 当時の中国は全て人海戦術です。

 

≪洗毛工場≫先ほど選毛作業で仕分けられた産毛だけがここに運ばれ、獣毛油脂や汚れを洗い落とします。

カシミヤ山羊もフケが出たりしますので、そういうのもここで一旦綺麗にします。

≪整毛工程≫洗った産毛を脱水・乾燥し、又選別をして最終的にランク分けされて整毛原料として次の工程を待ちます

 

≪染色工程≫ 基本的にはカシミヤは綿の状態で染めます。又、最低5-6種類の染綿(バラ毛)を丁寧に混ぜて

1色の色を表現します。だから、カシミヤは独特の深味ある色合いになるのですねー

因みに、デリケートなカシミヤを染める時は、極力損傷を与えない様にするために、染色温度

も低温で管理されます。そうすると、カシミヤの風合いを損なわずに染める事ができるそうです。

 

≪カード工程≫ ここから、染色後の原毛がシート状になって、糸の原型へと変わっていきます。。。

この工程でも又、色もより均一化し深みも増していきます。

 

≪合糸工程≫段々、糸らしくなってきます。この工程の技術力如何で斑のない番手の糸ができあがるんですね。

≪撚糸工程≫ 言うまでもありませんが、糸の基本は単糸。それを2本引き揃えて撚りを掛けて双糸にします。

カシミヤの紡毛は大抵が双糸で販売されていますね。2/28.2/26.2/24…が一般的でしょうか。

でも元は単糸なので、色違いを2本撚糸して杢糸表現もできますし、オリジナルで「ミッコ(3子)・

ヨッコ(4子)」と言ったオリジナルの杢糸色を作り出す事もできます。

ここからは、紡績工場ではなく、 ≪ニット工場≫ です。

当時、既に日本製の自動機も設備導入されていましたが、殆ど稼働はしていませんでした。

まだまだ、人海戦術による手横機が主流の時代です。

 

≪インターシャ機の編立ライン≫

やっぱり、どこの工場も編立ては女性が多いです。

昔、広州の方の工場を視察した際にそこの社長が「こういう繊細な作業はやっぱり女性に向いている」そうで、

「男性だとすぐにサボるし、仕事が雑だし…」と言ってました。 それでも、結構な力作業なので、最近は

女工さんを集めるのも至難の業だと…。 この当時はまだまだ稼げる職業だった様ですけどね。

≪縮絨室≫

成型編みで形にしたものを「洗い」➡「脱水」➡「柔軟加工」➡「脱水」➡「乾燥」 の工程でカシミヤ製品の風合い

を決めます

洗剤や柔軟剤等の溶剤類も、整理整頓されていたのでとても安定感がありますね。

こういう所の管理が荒いと、サンプルで幾ら風合いを決めても本生産まで統一できるかどうか不安になります。

後、担当者がタバコばっかり吸っていたり、座り込んでボーっとしてたり、逆におしゃべりばかりしていたり…だと、

脱水時間や洗剤に漬ける時間の管理に不安を感じずには居られません…(;^ω^)

 

≪検品・袋詰工程≫

 

≪梳毛びき工場≫ 当時、イタリーの有名なカシミヤ企業のメンズスーツ生地等も製造していました。

≪布帛の縫製工場≫ 梳毛糸の工場のすぐ横に縫製工場もありました。

≪ストール・マフラーの製織工場≫ フリンジの部分を1枚ずつ手作業で鋏で切り分けています。

≪仕上げ・検品≫

≪オルドス市内唯一のホテル≫

この建物がオルドス市の中心地にあり、当時はこのビルの低層階がオフィスになっており、
海外からのお客さん向けの各種レストランやバー、カラオケルーム等、全ての娯楽施設も
このビルに集約されていました。

≪市街地の風景≫

出張最終日に少し時間ができたので、近隣へ視察に連れて行って頂いた時の車内から
撮った写真です。街に住む人は皆カシミヤ絡みで生計を立てている人達ばかりで、
ここには他に産業はありませんでした。(あくまでも当時、ですよ~(;´・ω・))

この時は、確か街から1.5時間位の所にある「チンギスハーンの墓地」に連れて行って
もらったと記憶しています。

≪市街地の外の風景≫

その途中に見た車窓からの風景は、本当に何もなく。。。
こうしてカシミヤ山羊を放牧している人や、蜂蜜を採るのにハチを放し飼いしてテントで
移動生活をしている人たちを見る程度です。

当時、真に「大地の子」が放映されていた頃。主人公が囚人として送られた労働改造所の
場所の設定が「包頭」で、主人公も山羊や羊を放牧する羊飼いをさせられていたので
その風景と重なり、まさに≪大陸≫を実感した事を今も記憶しています。

そして、何よりも感動したのは夜の星の量です! 今までに見た中で一番の夜景です。
頭ではできないと分っているのに、それでも摑もうと手を空に広げて伸ばしてします…
それくらい近くて、降り注ぐ程の量の星の数なのです。
これはどうにも写せなかったのでとっても心残りですー

数年前に、TV番組で一戸建ての建売住宅が並ぶ、まるでヨーロッパの新興住宅地の様な
風景になっているのを見た事があります。
今も、あんな星空が見られるなら、いつか今度は旅行で訪れてみたいです☆

ー 2013年2月15日

記憶に残るお仕事記録 その1

こんにちは インプルーヴです。

ふと、インプルーヴの歴史…というか、アーカイヴみたいな
ものも少しずつWEB上に残して行こうかな、と思い立ち。。。
職種の性質上、具体的な取引先名やその他詳細は明記できないのですが、
その辺りを非公開でしかももう既に一般市場に出回ったものに関して
当社の足跡として今後少しずつ記録していきたいと思います。

ーという訳で……
【Improve の 足跡1】=BRANDの再構築・商品開発ディレクション

これは一昨年暮に考案した、昨年秋冬用4か月分の代表スタイリングを
MAP状にまとめて取引先に提出したときのもの。

この時は、ニットに限らずフルアイテムのデザインまで請負っていたので、
ファブリックのデザインにも具体的な素材まで添付してご提案。

そして、ニットはテキスタイル(編地)開発・ファブリックはパターン
作成~トワルチェックの行程を経て約1・5カ月で、1st-SPL作成。
検討会を行います。

対象世代は40歳前後、アジアの中級富裕層向けでした。

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