【今日は独り言。。。】

先日、或る交流会でアパレルとは全く関連のない方々と
お話する機会がありましてーーー。
ちょっと、ショックな事を言われました。。。

お互いに自己&事業紹介などをする中で
私が「私達の夢は、10年経っても愛して着て貰えるニットをつくり
5年-10年…と、お買上下さった方と長くお付き合いできるような、
そんなモノづくりをし続けていきたいんです~」と話しますと、

キョトンとした顔で、こう仰いましたーー。
「???え~?そうなんですか? 
アパレルの人達って、1年で着れなくなって買い替える様に考えて
服を作ってるんじゃないんですか?
その仕掛け・仕組みを考えてるんでしょ?
長く着て貰おうなんて、考えてる人いるんですかー??」と…

私の方が逆にびっくり!(@_@)
アパレルって、一般の消費者の方からこんな風に映っているんですね。。
ま、この方がたまたまそう解釈されてただけかもですが、
少数意見かどうかは別として、今のアパレルがそういう風に
見えちゃってるって事は事実で、素直に反省すべきかもしれません。

私達の時代は、新人入社した時に先ずお客様のお直しの担当から
致しました。
中には「10年以上前のカーディガンの釦を失くしてしまったのだけど
付け直してもらえないか」とか、引掛けて穴をあけちゃったセーターを
「何とか元に戻らないでしょうか?気に入っているんです…」といった
お手紙と共に送られてきたりします。
そういうご相談も極力対応するのが最初に習った仕事です。

昔は今の様にPCデータ管理じゃなないので、過去の書類庫に保管されている
膨大なファイルの中から、どれくらい前かお客様の記憶と先輩方の作った
素材や色などからの記憶からあたりをつけてその品番の設計書を探し、
そこに書かれているボタン品番などを見つけ出して、副資材メーカーさんに
発注し、取り寄せ、そのカーディと同じ色のボタン付け糸も手配して付けて
お客様の元にお返しします。

今、こうして書きながら、当時のモノづくり、お客様とのコミュニケーション
の事を思い出すと、今は何とも寂しい。。。
洋服に掛かる原価なんて見たら尚更… そんな大事にしたくなるような顔を
してませんしね、商品の方が…

バブル世代末期入社組としては、今や時代遅れな思考かもしれませんが、
やはりどんな仕事も人と人が繋がって生み出され、消費され、人生を彩る
ものだと思います。
時代遅れでも、当時習って今も原点だと思ってるこのスタンスで通したい、と
改めて思います。

高いものが良いと言っているつもりは決してありませんが、人がそれなりに
手を掛け、素材をつくり、形をつくり、やり取りをすればそれなりの報酬は
当然必要になります。
ただ、昔はつくる側にとって、消費者がその買値で絶対に損しない、満足して
貰える顔に仕立てるのが「プロ」の気概というものです。

本当の【クール・ジャパン】って、匠のものづくりとか、こだわりとか、
そういった「モノ」じゃなくて、そういう「行動規範」のことなんじゃ
ないだろうか?

いっそガラパゴス化でもして、そういう美しい規範を守りたいものだな~などと
思ったりします。。。
競争に巻き込まれない強さを、
今日本は返って自分達で放棄しようとしているんじゃないだろうか~…

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