選択カテゴリー:仕事

ー 2014年6月18日

EC連動の仮想試着システム?!

こんにちは。 『インプルーヴ』 です。

今朝の業界新聞に、「アーバンリサーチがEC連動の仮想試着システムを開発」し、
月末まで期間限定・限定店舗でのでテスト導入をするとの記事を見つけました。

まだサラリーマン時代、百貨店ブランドRe〇〇〇ctの立上げをしていた頃に
「ご試着頂くまでの誘導が難しい-」との議題が上がり、こんな事が
出来たらいいのに…と、会議中に妄想していたことを想い出しました。。
「アーバンリサーチがEC連動の仮想試着システムを開発」

…記事を読んでてふと浮かんだ??。。
結局ECで買うなら、わざわざ「店舗に出向いて買う」…の?
あ、いえ、店舗に商品を並べなくなる時代が来るーって事?!
そしたら、不良在庫を減らせる…とか。。
業界からの穿った目線すぎる考えかな、、^^;

ただ、買う側からしたら「眼で見て、触れて、着てみて」感じる楽しみが
無くなるーって事ですよね(>_<)
それは寂しいな~
…と思いつつ、ちょっとググってみたら、こんな記事も見つけました。

「タブレットで洋服選び、東芝がバーチャル試着システム 」
アパレル店ではなく、ヘアサロンで洋服のバーチャル試着をすることで、
顧客は仕上がったばかりの自分のヘアスタイルを大画面で見ながら、洋服の
コーディネートができる。
東芝ソリューションはバーチャル試着を始めるに当たって複数の女性に
インタビューしたところ、女性が洋服を購入したくなるタイミングとして
「美容室でファッション雑誌を読んでいる時」という意見が出たことに注目した…とな。

ふむふむ。。。
個人的には、こっちの方が女性心理に沿ってて、ヘアスタイルを
ステキに変身したあとの心理を突いてるな~と思ったのでした^^
「タブレットで洋服選び、東芝がバーチャル試着システム 」

…?!これって、何かしらの障害等で、実店舗での試着等が困難な方にとっては
朗報
かもしれませんね~☆
以前、交通事故が元で、車椅子をお使いの若い女性に普段どこでお洋服を購入するのか
ヒアリングした際に「大抵一般の店舗で買うが、試着室に入れないのが一番困る…」と
仰ってたっけ。。。( ..)φメモメモ

ー 2014年5月19日

オトナの社会見学①

こんにちは。 『インプルーヴ』 です。

先日5/16に、とある団体主催で所謂オトナの社会見学に参加してきました。
伺った先は、神戸市内でシルクスクリーンプリントを得意とする有限会社ビルボード様。

3階立ての会社の2-3階が生産現場となっていて、お客様からのOrder
が入ったら、デザイン起こし➡分版➡フィルム作成➡製販➡
色決め➡印刷➡熱乾燥定着➡冷却乾燥定着➡検品➡梱包➡出荷
までの一連の作業を見せて頂きましたが、お客様のOrder通りに
間違いなく、しかもスピーディーにお届けする為の工夫が細部になされて
いて、とても勉強になりました。


※製販:ポリエステル100%のスクリーン版を張って、柄を焼き付ける作業

※印刷機:シルクスクリーン版をセットします

※印刷体験w 隣の作業台ではプロが1回刷りで見事にプリントしていく
隣で、私達は2回も3回も重ねて刷らないと斑なく印刷できませんでした~^^;

※転写プリント機。 平台と帽子などの立体用の2種。

※Tシャツの袖口に展社体験。

※キャップのヘッドに転写体験。

この様に、今回は見学だけじゃなく特別に貴重なプリント体験もさせて
頂きました!
アパレル歴は古いながら、実際にプリント実践を体験させてもらったのは
初めてで、「腰で刷る」ってとっても難しい~!
良い経験でした~☆

何事も現場を知る事って、本当に大事ですね。
百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、本当に奥が深いです。

有限会社ビルボード様、この度はお世話になり有難うございました<(_ _)>

ー 2014年4月29日

アパレルデザイナーはデロリアン操縦の名手?!

こんにちは。 『インプルーヴ』 です。

やっと暖かくなりましたね~。
ここ神戸の六甲山系もブロッコリーの様に木々の緑がモコモコしてて春爛漫♪
そして世間はGW~。今日は生憎雨ですが、後半は晴れたらいいな~と思いながら
休日に挟まれた今日は午後から出勤してゆっくり考えたい仕事を片付けようと思います^^

毎度の事ながらファッションデザインの仕事は、クライアント様のスケジュールが
其々異なるので、春・夏・秋・冬全てが並列で進行することも珍しくありません。
だから、たまに今自分がどの季節に生きているのかふと分らなくなることが…
痴呆入ってます^^; 
先日このことをFBに書いたら「終わった季節を遡って作る期中現物とかもありますね」
って話になって。「バックトゥーザ・フューチャーやね」ってことで
私達の仕事はデロリアンの運転が機敏に上手にできないとねーってオチになりましたw

因みに只今、14-15秋物、14-15冬物、15春物、初夏物ーという、
4つの季節が並行して動いていて、案件分の素材提案の準備で私の机周りは
ぐっちゃぐちゃ。。。

昔勤めていた頃によく上司から「机の上には何も置くな!」と叱られたものですが、
今もどこかからあの怒鳴り声が聞こえてきそうな…(/ω\)

はいっ!早く機敏に資料作ってご提案します!
クライアントの皆様、楽しみにしつつ暫しお待ちくださいませ☆彡

ー 2014年2月19日

意匠糸はこうして作られる…!

こんにちは。『インプルーヴ』 です。

さて、皆さんは色んな形状の糸がどうやって作られているかご存知ですか?

私も机上ではイメージできていますが、実際に撚糸工場さんなどを訪ねる機会は
少ないので(ニット工場さんはよく行きますが…)、先日一宮への出張の際に
普段お世話になっているあるヤーンメーカーさんを訪問させて頂きました。
そのメーカーさんは、長谷川商店様と言います。 
工場も見学させてもらったので、皆さんにも少しご紹介^^

こちらは主にSILK糸の意匠糸製造が得意な製造メーカーさんなのですが、
SILKに限らず、一口に糸…といっても実に様々な形状があります。
今回は、そんな糸の形状で面白いものを少しご紹介したいと思います。

【1】テープヤーン

この写真は『梯子テープ』と呼ばれる形状のもの。
名前の由来は、写真からもなんとなくお分かり頂けますよね^^

因みに編地にするとこんな風になります

そして、これもテープの一種。片側だけに芯というか軸の様な部分があって、
そこに巻き付けられるような形で反対側には輪っか状の形状が残ります。

編地にするとこんな感じ。
すこし、フワフワ感と、編み目が真っ直ぐ並ばない所が独特の優しい雰囲気になります。

そして、この糸はどんな機械でどんな風に作られているのか…

この、機械の台座辺りに機械の中心をを囲む様に縦に並んでいるボビンの様な糸が
輪っか状になる糸の部分。

このボビン数が多くて巻き付け回数が多いほど密なテープになるし、少なくて巻回数が
少なくするほど隙間が多い(=軽くなる?)テープになるそうです。

【2】リリヤーン
リリヤーンというと、昭和世代の方なら子供の頃に遊んだ記憶があるのでは?
そうです、真にあんな感じのが高速で自動で糸を作っていく感じです☆彡

高速で稼働中の様子ではわかり辛いので、隣でお休み中の機械の方もアップで
撮らせてもらいました~♪(掃除前w)
針が下に引き込まれながら輪編みされていく途中でスイッチオフ~っていう感じですよねww

できる糸の形状も、昔懐かしいリリヤーンと同じ感じ~^^
(正確に言うと専門家的には違うのでしょうけど…^^;)


写真は、リリヤーンの形状が分り易い様にとても太い糸を例に撮ってみました。
因みに編むとこんな感じ。

この糸は1/0.6なのでHAND-KNIT向きですが、通常1/6-1/5辺りが製品になっても程よい厚みで
編機も7-5Gなら設備も割とあるので使い易いかと思います。

【3】カバーリングヤーン
=異糸を追撚糸して、色や素材を混ぜるというテクニック。

この機械はダブルカバーといって、芯糸に絣の糸とブークレ―の糸の二種類を緩く巻き付ける
様に撚糸して、複雑で奥深い色や素材感を生み出しているところです。

芯糸だけで勿論商品として成立している糸に、違う糸を追加して巻いています。

この写真は、下から順次糸が追撚されて上に向かって糸が巻き取られて追撚が完成していっている様子です。
番手が違う3種類の糸を追撚してるので、当然基糸の時より太くなっていき3種類の太さを総合して
一本の糸として単糸表示されます。

カバーヤーンはその種類も豊富ですが形状が分り易い糸を例に写真をアップします。

それを編むと…ほら、色が混ざった様に見えませんか?

そして、この日こちらのヤーンメーカーさんのSHOW-ROOMも案内して頂いたのですが、
その商品のラインナップの多さにびっくり~(@_@)
壁中にサンプル台帳が貼り付けられています☆

流石、これが自分達でモノづくりができる(生み出せる)製造業の強みですね~。
私達の様な自前の作り場を持たない(…正確には、持ちたくても持てない(;’∀’))立場
からは本当に羨ましい限りの場所です!

ー因みにこちらの会社では一般の方向けにも販売されているそうなので、
贅沢なSILKの糸で自分メイドのニットを作ってみたいという方は是非~♪(#^^#)

Silk HASEGAWA

ー 2014年2月6日

2014年 春節アジアからのお年賀状

こんにちは。『インプルーヴ』です。

アップのタイミングがちょっと遅れてしまいましたが、
今年も春節のお祝いと共に、上海・台湾・香港などからニューイヤーカードを頂きました~(#^^#)

日本のお年賀状とは対照的に、実にカラフルでキレイ☆彡
ー中でも、香港在住のお友達からのカードは何と
『香港式お年玉』付き♪
香港にもお年玉の文化があるのですね~!
Yさん、有難うございました~☆
早速日本の神棚にお供えしてますw

当社は神戸・元町は中華街のほん南の栄町筋にあるので、
街も先週末から旧正月3日間お祭りイベントありで
沢山の観光客がこられていて賑やかでした(#^^#)
又、こうして現地のお取引先・お友達から春節メッセージを頂くと、
お正月を2回味わえて得した気分です♪

日中関係、政治は色々ありますが、当社がお付き合いさせている中国の
方々・企業様は日本人より日本人っぽい人情味を持ち、
約束を必ず守って下さる方ばかり。
逆に、そうした方々とでないと私達も安心して良いモノづくりはできませんし、
ここまで長くお付き合いもできていない、と改めて思います。
勿論、国内メーカー様ともそこは同じで、信頼関係をお互いに大切にできる
方々に恵まれ、支えられていることに本当に感謝しています。
これからもインプルーヴは常に真摯な気持ちでのお付き合い関係を国籍
関係なく築いていきたいと思います。

…という事で、旧正月も終わったので気を引き締めて新年もがんばりましょう~(#^^#)

ー 2013年11月29日

『ファッションの役目』…とは?

こんばんは。 『インプルーヴ』 です。

紅葉をかみしめるまもなく、すっかり毎晩冷え込む様になってきましたね~。
そのせいか、急に体調バランスを崩している友達がちらほらしていますが
皆さんは大丈夫でしょうか?

…突然ですが、今年は折りに触れ「ファッション」と「コンプレックス」を
抱えている人との関係性について考える機会に遭った一年でした。
ここでいう「コンプレックス」とは身長とか容姿とかという意味ではなく、
何かしらの身体的な障害の事を意味します。

想いの切欠は、たまたま観たTVのスーパープレゼンテーションという番組で
やっていた「エミーマランスと12足の脚」というTEDconference。
これを観ていて何か、、心の奥の何かが震えました。
上手く言えませんが、とても大事な何かに触れたような気がしたのです。

話は変わりますが…
自分が何か気になっている事や関心事があると、何故か普段の生活の中でその
「コト」に関係する事、ヒントになる事に出遭う偶然が起きます。
これは誰にも経験ある事だと思います。
一種の「六次の隔たり」ってヤツですかね~。
そんな、(ファッション×コンプレックス=…???…)とぼんやり考えが彷徨う中、
先日介護関係のお仕事されている方と偶然お知り合いになりました。

相手の方は私がアパレル関係の企画をしていると知り、何気にユニバーサル
デザインについてお話をして下さいました。
私がその様な事に興味を持っている事はご存じなかったのですが、ご自分との
仕事の中での共通の話題を探して下さったのだと思います。

ーそして私との話題を覚えていてくれて、後日こんなレポートをMLで
紹介してくださいました。
MLに付けてくださっていた添付URLは「ユニバーサル社会の環境整備」
という題名のレポートでした。
それを読み進めていて、私は又ハッとするフレーズに出遭いました。

職業柄もありますが、こちらの鈴木ひとみさんと言う方のこの言葉がとても響いたのです。

『(中略)…でも、どこでもトレパン姿だったら恥ずかしい、相手に恥ずかしい思いを
させたくない、その一心で、普通の服を着る訓練をしました。
あるとき、次の外出の服装を考えながら、充実した気持ちになっている自分に気づきました。
「おしゃれをすることの喜び」モデル時代には気づかなかった、その喜びを感じていました。
また、病院の単調な生活に甘んじていた私にとって、心地よい緊張感がありました。
このことは、高齢者も同じだと思います。服を変え、外出をする。
日常生活に変化をつけることにより、緊張感が出て、生きることの張りになるのだと
思います
…(中略)』

ー私が服作りの過程に身を置いている者として一番伝えたいのは、真にこの
おしゃれをすることの喜びを着てくれた人に感じてもらいたい… !
という想いだって事に気付きました。
そして、私達発信側からの一方通行ではなく、エンドユーザー側の意見としてもこんな
生の声がある事を知れて心に沁みました。

ファッション… -お洒落をする事- の根っこにあるコアな事、
ファッションが社会に果たせるお役目って、やっぱりココでなければいけないんじゃないかな。。。

ここ数年日本では俄かに「ファスト・ファッション」がトレンド!
まさに「インスタント・ウェア」…
(関係者の方、ゴメンナサイ。あくまで私個人の考えです。)
経済的な長期不況・デフレの概況も助長して、特にアパレル商品は似たようなもの
一辺倒になってしまい、価格競争の嵐です。
私達も例外なくそんなまっただ中に身を置いていて、今はエンドユーザーの心を
裏切らない価格+αの、価値のあるモノづくりをするのは至難の業…
特に企業デザイナーの立場では、とても厳しい局面も少なくなくて、自分の信念に
おいて「ここ(の会社)とはもう続けられないな、、」と思ってしまう事も…
(、、、経営者失格です(>_<))

あ、誤解しないで下さいね!
ここで言う『価値ある商品=高級品』という意味ではありません。
あくまでも、値段に対して値打ちがあるかどうか…と言う意味です。
例え¥3980.-でも、値打ちのある商品はあります。私はそんな商品は好きだし、
それを作ろうと頑張っている方々のご苦労にエールを贈ります!
極端に言うと、
¥10000.-でも¥3980.-の価値に負けてる商品もあるかもしれない…、
そういう意味です。 

 … 最早人は、服(ファッション)に価値観なんて求めてないんじゃないの?
 … 服は使い捨て感覚で良い、と時代が言ってるんじゃないの?
ーそう思ってしまう時もありますが、
ファッションにおいても飽食の時代、この鈴木ひとみさんが
ファッションを通じて感じられた、大切な「服のお役目」を果たせるように、改めて
襟を正し、自分を信じて頑張ろ!と思いました(*^^)v

ー 2013年11月12日

Todays’ Ballet Lesson at ポアントコウベ スタイル 1

こんにちは。 『インプルーヴ』 です。

ここ、神戸も昨夜から突然風が冷たく変わり…会社の窓から見える摩耶山も
随分色付いてきています。皆さんの周りの風景は如何ですか?

…えっと…

実は、週に一度バレエ・エクササイズに通い始めて3年近くになるワタシ。。。
さて、そんな中本日も週に一度のバレエ・エクササイズで良い汗かいてきました~。

poantkobe leg warmer

WEBに晒すには何ともお恥ずかしいゆる~いBODYなのですが、
私が始めた【ポアントコウベ】ブランドは、そもそも本格的なバレエダンサー向け
ではなく、子育てもひと段落してやっと自分磨きの為に時間を使える様になった
オトナの女性のアンチエイジングのお手伝いをしたい~ との思いから生まれたもの。。

HPの方はやっぱりバレエ経験者やモデルさんでビジュアルを作っていますが、
「本当はこんな体型でもバレエを楽しめるよ~♪」という見本に、これからここで
もアップして行こうと思いますw
(ちょっとやってみたいけど、経験ないしな~、体型に自信ないしな~…)
なんて方は、これを見たらハードル下がる事でしょうwww

ーという事で、話を戻し…

そんな秋気分で本日チョイスしたレッスンウェアは、

3wayプルオーバーのラズベリーと、今年の新作、ニットサーキュラースカート/
オンディーヌのミックスネイビー

足元をトップスと同じラズベリーのレッグウォーマーにして全体に統一感が出る様に
工夫してみました~(^_-)-☆


朝顔の花が満開に開くようにフワッと広がるサーキュラースカートの裾が、
ピルエットの度に「なんちゃってバレリーナ」気分のテンションを上げてくれます♪
これがニット商品だって、皆さん分りますか?
成型編み方法のニットで作ってあるので、カットソーやシフォンの布みたいに裾上げした
縫代がなくて、これだけの裾蹴回しの距離なのに、繋ぎ目縫製は何と片脇一か所だけ!
だから、こんなにしなやかにふわっと広がるスカートを実現できたんですね~。
レッスン着が優秀だと、まるで自分のターンが上手くなったかの様な錯覚をさせてくれますw
いつの間にかすっかりヘビロテで着ていて、スタジオの皆さんにも好評です♪

そう言えば、今日行ったらレッスン中の音楽が今日から新しい曲に変わり~☆
今までのテンポの良い元気な曲から少しスローテンポでしっとりした曲がチョイスされ
てて、耳からも「秋」を感じながら今日も気分よく四肢を存分に伸ばす事ができました♪

…昨夜から急にまるで冬の北風の様な寒さで、秋がすっ飛んでしまった様な神戸の空…
皆さんの所は如何ですか?
急な変化で身体も大変ですが、お互いに体調管理に注意して年末まで元気で乗り切りたいですねー(^O^)/

ー 2013年11月9日

創業経営者の口癖

一. 自ら変わっていける所が生き残る

一. 何が起こってもプラスに考える

一. 出来るとしか考えない

一. ロマンは必要。ソロバンも必要

一. 悲観的に考えて備え、楽観的に行動する

一. 組織は創造と破壊を通じ発展させるもの

一. 常に自分よりも優れた人を求め交遊する

一. 良い習慣を一生続ける

うん、私も心に刻もう!

ー 2013年11月1日

ニットデザイナーの5大要素とは?

こんにちは。 『インプルーヴ』 です。

さて、突然ですが…
皆さんは【ニットデザイン】に必要な要素 とは…何だと思われますか?

私はこの5つではないかと思います。

 ➀ 糸の特徴を掴み、どんな編地が作れるかを想像できる
      【想像力】
 ➁ 頭の中にしかない編みたい編地のイメージを、
   工場の技術者の方の想像力が湧くよう工夫して伝え、
   話し込み、一緒に作り上げていく
      【コミュニケーション力】
 ➂ 市況とのバランス、スタイリング等を意識しながら、
   編地とデザインを豊富に提案できる
      【デザイン力】
 ➃ ニットの特徴を理解して編立てが可能な形と表現したい
   フォルムを効率的に融合させる
      【パターン力】
 ➄ サンプルを見て、どこをどう修正すればもっと商品の
   価値が上がるか、価格より価値が勝るか…あくまでも
   買って下さるお客様目線での
      【目利き力】

もちろん、それらを上手く「伝わる絵」に表現出来ることは最低限の
前提として、ですが。。。

ここで伝えたい「デザイナー」は、一般の方がイメージするような
クリエイティブな華やかな世界ではありませんが、
天性の才能よりもこれらの5つの要素がリアリティあるニット商品を
開発するのに重要な要素だと思っています。

そして、これらの中に一朝一夕に得られるものは何一つありません。。。

実際、私達もとても長い間コツコツと磨き続け、やっと得られている
ものばかりです。
だからこそ、私達はココを強みとしてアパレル様やニット工場様の
商品の価値を向上(=Improve)するお手伝いをさせて頂きたいと
思っています。

ニットの企画にお困りの方、ニット商品をプラスしてみたい企業様!
一緒に価値あるニット商品を創りましょう☆

http://improve-knit.com/tsuyomi

ー 2013年10月16日

ひとりごと…

こんにちは。 『インプルーヴ』 です。

今日のはコーヒーブレイクに、ほんの徒然なる独り言です。。。

最近、行く先々で良く聞くのが【社内企画スタッフのスキル強化】…

特に、私が生業としているニットのデザイナーに於いては、

アパレルさん側も長らくOEMさんや商社さんからの持込み企画に依存しすぎて

一時期専門職を中心にリストラを断行した所が多いので、

中途採用してもその人それぞれの経験値=ブランド・スキルになってくる為に

価値重視への回帰が叫ばれ始める中、どちらも育成する先輩の欠如に困っていらっしゃいます。

ーかといって、ハイスペックの人は人件費をアップさせたくないから雇えない…

皆さん口を揃えて「キャリアがあって若い(=安い)子いないかな…」って。

…そもそもここ10数年どの企業も新卒を育てていないのですから、

市場に若手キャリアが育っているはずもなく…

先日来ファッション系専門学校の産官学事業のパネリストもさせて頂いていますが、

そちら教育側から聞こえてくるのは逆に「就職先がない」事…。

アパレル系では今、販売職しか用意ができない、と。

勿論、学校側にも改善すべき点が無いわけではないと思いますが、

企業側が口を揃えて言うのは【経験者が欲しい】

でも、何れにしても「経験者」になるためには、

誰かが(どこかの会社が)「未経験者」を「経験者」に

してあげないといけないんですよね…

これは業界全体の【育てる・育む】事への意識の問題だと思うのですが

何だか難しいなーー

……この双方が上手く収まる方法ってないんかなぁ…

うちが余裕があれば新卒の人達に色々教えてあげたいんだけど…

うちには教えるスキルはたんと有るんですけどね~ 他が…ね(/ω\)

世の中は上手くいかないものですね~(~o~)

ーなんて、ほんとにただの独り言でした(^-^;

ー 2013年9月14日

岡田織物×インプルーヴ@日本橋三越百貨店イベント販売会

こんにちは。 『インプルーヴ』 です

先日、こちらでご報告させて頂いた高野山口のフェイクファーメーカー
【岡田織物】様の製品イベント販売会@三越・伊勢丹イベント販売会の事が
昨日の繊研新聞で記事になっていたそうです~☆
岡田織物様からも記事添付と共にお知らせ頂いたので、こちらでもご紹介させて
頂きたいと思います~☆

岡田織物様 ➡http://okadatx.shop-pro.jp/

こちらは、高野山口で「エコ・ファー」として、フェイクファーの新しい世界観を
創っておられる会社で、その素材はヴィトンやプラダ等のナショナルブランドからも
高い評価と引き合いを受けけるほど。
そのオリジナリティとクオリティの高さは最高レベルの会社で、真にJapan・quality☆

私達もそんな素敵な素材を前に、ニットと絡めて商品開発するプロセスはとても
楽しいお仕事でした~♪
そんな出会いに感謝するとともに、これからそれらがマーケットからどのように
評価されるかも又楽しみです!

皆様、応援宜しくお願いいたします~(^o^)丿

ー 2013年8月23日

今年の秋冬、店頭の「オシ」はフェイクファーとチェック柄ニット?

こんにちは インプルーヴです

毎日本当に暑くてムシムシしてて、ぐったりする暑さが続いていますが
皆さんお元気でお過ごしですか?
先ほどのラジオニュースでも、今年の8/中旬の暑さは過去最高記録更新したそうです…(@_@。

そんなまだまだ真夏気候の中ですが、街中はそろそろ秋冬モードにシフトチェンジ。
先日、銀行巡りに御遣いついでにここ乙仲通から旧居留地辺りをウロウロしていたら
ここ、神戸のウィンドゥもファーストールなど暑苦し~いディスプレイに変わってたり、
新しいSHOPのオープン準備の様子などを見掛けました~。

 

先ず発見したのは、このお店。

洋服ではなく、車のお店ですが…^^;
こんなところにJAGUARのショウルームが出来てたの、気付いてませんでした~( ゚Д゚)

この場所は、確か、のりピーの覚醒剤事件で一緒に捕まった元旦那さんの実家が
経営していたスポーツウェアのショップ「JIRO」があた所ではないかと…

最近よくあるのですが、すっかり様変わりしちゃうと、その前に何があった所か
全然思い出せない… 歳ですかね~(;_;)

そして、こちらは旧居留地・メインストリートのルイヴィトンの西隣。

オリエンタルホテルのビルOPENに伴い、お隣に移転したヴィトン跡にプラダがお目見え☆
とうとうベールを脱ぎましたね~w
OPENは9/14だそうですよ。

この辺りにはBURBERRYなどの他、DeuxiemeClasse、BARNEYSNEWYORK、STRASBURGO…
と言ったセレクトショップが軒を連ねているエリア。
御遣い御遣い、、、と思いつつ…路面に面しているSTRASBURGO(ストラスブルゴ)さんに
ちょっと立ち寄ってみました。

入り口のトルソーにはフェイクファー(シール系?)のボリューム半袖の丸首プルオー
バーとスカートのスタイリング。 確か、ダルメシアン柄だったかなー。
店内の一番目立つラックにもハラコ風の黒無地で飾られ、並べてモヘアを編み込んだ
10G位のジャカードのプルオーバーが色違いで一番目立つ所に掛けられていました。

こちらに限らず、このAWの立ち上がりに眼に入るものに多いのがチェック柄のJQ。
私達からしたらとても懐かしのテクニックですが、市場的には大分ご無沙汰ですし、
加えて今期のコレクションで取り上げているメゾンが多かったので、予想の範囲では
ありますね。

お店の写真や商品を撮れないので、それがどんなだったのかはご紹介できませんが、
懐かしのチェックを表現するニットのテクニックについては、Improveのアーカイブ資料
から少しご紹介したいと思います。

先ず、これが一般的なWジャカードという編み方で表現したチェック柄。
これは、黒・赤のウールの捨てレート撚糸ヤーンとベージュの無撚ブークレ・ヤーンを
使って10Gで表現したものです。

そして、これは島精機の経糸挿入機・通称「SPL」と呼ばれる編機で編んだインターシャで
表現したチェック編地。これも10Gで編んだものです。

WジャカードとSPLインターシャでの仕上がりの違いは、ズバリ編地の厚みです。
こちらがSPL編地の裏。

ジャカードは1コースに数色の糸が渡るのに対して、SPLは以前書いたインターシャと
同じ原理なので、色毎に上に(縦に)連れていかれながら編まれていくので、1色分の
糸の厚みにしかなりません。
ただSPLには柄に制限があり、基本的にはチェックのみを作るクラッシックな機械です。
私の憶測ですが、多分昔男性用の柄ベストやセーターを作るのに重宝されたものでは
ないかと思います。 今は保有している工場を探すのも難しいかもしれませんねー

そして、チェック柄からはちょっと横道に逸れますが、経糸挿入の編機でいうと、
これは昔「カペルドーニ社」の経糸挿入機で作った柄編地です。

チェックに組んだ編地を地の目を無視してバイヤスにカットして、タータンチェック風
を表現してみた編地です。

こちらは同じ糸を使って柄違いに矢振り柄風にアレンジしたもの。
同じ経糸挿入機でも、SPLと比べると柄表現の幅の違いがご理解頂けると思います。

そして、こちらは同じ矢振り柄風で糸の組み合わせを変えた編地。
写真では伝わりにくいかもしれませんが、単に色が違うだけでなく、編地の厚みが
違っています。 その理由は使う糸の番手と相関するので細い糸を多く取り入れれば
薄くなるし、毛足が長い糸等を多用すれば厚みが増しコートまで作ることもできます。

こんな風に、私達ニットデザイナーはその工場さんがお持ちの機械の機種を活かして
如何に時代にあった商品を企画できるかを糸のセレクトからします。
こうした、工場さんと一緒に考え、創っていく作業が楽しくってニットデザイナーは辞められませ~んwww

ー 2013年8月9日

1996年当時のカシミヤ工場の見学記録

こんにちはー。 『インプルーヴ』 です。

今日は、先日アップした「カシミヤ」についての続きを書きたいと思います。

ーあれから、古い資料を探したら、昔自分がサラリーマンデザイナーだった若かりし頃
に出張に行った、内蒙古のカシミヤ一貫工場の出張報告書が出てきたので記録も兼ねて、
それをデータに取り込んでみましたので、こちらで記事にしておこうと思います。

その前に、以下、注意点…いえ、言い訳を3点ほど。。。(;^ω^)

➀ もう、紙芝居形式ですw お許し下さい!
➁ 工場の名前が写り込んだ写真が幾つかありますが、きっと今やこの工場も最先端に
なっている事と思います。この記録は1996年当時のものであり、先方が日本企業と初めて
輸出取引をした時のものですので今とは全く別物になっていることと思います。
ーなのであくまでも1996年当時の、とある中国の工場風景 の記録としてご覧下さい。
➂ 加えて、1996年当時のまだまだ駆け出しひよっこの報告書なので、説明の間違い
等も多々あろうかと思います。 そこは片目つぶって見てやって下さいませ。
(手書きのコメントも全部は消せず… お見苦しい点も含め、ご容赦下さい)

先ずは、1996年、初めて訪れたカシミヤの原産地・内蒙古自治区のオルドス地区の場所から。。。

 

≪中国:内蒙古 オルドス地区≫

移動方法としては関空から北京に移動。 取引先様は東京からだったので北京空港で合流。
そこから国内線乗換の待ち時間が6時間位あったので、時間潰しに北京市内を観光しようと

いう事になったのですが、生憎の豪雨だった為、初北京にも係らず人民広場も何もかもその前を

車で通っただけ…。 全く足跡を付けずに北京の地を通過~

あの時の一番の思い出は、その国内線の待ち時間での風景。。。
何せ、北京に行ったのも初めてで、中国の国内線空港に入ったのも初めて。
中国語も英語も全く分らない私は、ただ同行の商社さんに付いて行くだけの状態。
しかし、待てど暮らせど、私たちが乗る飛行機の搭乗アナウンスは掛らず…。
その内、その待合室で中国人はカップ麺やお弁当の様なものを彼方此方で食べ出し、
韓国人ツアーの一軍は、地べたに円陣を組んで、真ん中にキムチを広げて皆でお箸を
回して食べ始め、俄かに宴会状態…

待合室のゴミ箱には食べ残しが入ったままのお弁当などが山積みの積木状態で、今にも
倒れんがばかり… まるで「ジェンガ」です。
そして… 何よりそれらの混ざった臭いが半端なくて… ((+_+)) 当然ながら、空港に開閉

窓はありませんので、すんごい篭り様でした…

ーそうそう、結局8時間位遅れでやっと乗った国内線、 私の座席は窓側だたのですが、
その内壁にガムテープが貼ってあって… 一部プラスチックが割れてたか何かだったの
かもですが、これが何よりの恐怖でした~(;_;)
ガムテープ貼って補修している飛行機なんて、マンガみたいな話ですが事実です。
無事に帰れるのか、、、と心底心配しました。小さい飛行機でしたしねー。怖かったっ(笑)

何時間乗ったのかは忘れましたが、包頭(バオトウ)という所に降り立ち、そこから

迎えに来てくれていた四輪駆動車でオルドスまで確か約4時間。。。
現地に着いたのは明け方の4時。 途中何も食べていなかったので、着いたらホテルが
ラーメンの様なものを作って下さったのを覚えています。
あの空港では、誰も何も食す気にはなりませんでしたからお腹ぺこぺこでした~(´・ω・`)

 

 

ここから本題、デザイン依頼の打合せの合間に工場視察させてもらった時のレポート。

≪カシミヤの種類/大別≫ これが、cashmereの原毛の写真です。 当時頂いたパンフレットから抜粋しました。

7/30のブログに「カシミヤについて」の資料発見☆」というテーマで載せた記事にも紹介しましたが、
カシミヤは、刈り取られた際のカシミヤの色によって
・ホワイトカシミヤ
・ライトグレーカシミヤ
・ブラウンカシミヤ …… と大きくは3つに大別され、その中から又数段階に別けられてランク毎に価格付け

されます。
勿論、言うまでもなくホワイトカシミヤが一番高級です。

 

≪原毛倉庫≫ 毎年、5月中ごろに刈り取られた原毛を買い取り、ここで保管されます。

この段階から地域別LOT管理するそうです。

≪選毛工程≫入荷時のPP袋には、刈った時のままの土埃や葉っぱゴミ、などか混ざったままの状態。

それを全部手作業でゴミや剛毛と産毛とに仕分けしていきます。 この段階で大体半分の

量になるそうです。 因みに、婦人セーター一枚でカシミヤ2匹分程度の量が必要だそうです。

日本の工場なら≪篩加工≫に当たるのがこの工程? 当時の中国は全て人海戦術です。

 

≪洗毛工場≫先ほど選毛作業で仕分けられた産毛だけがここに運ばれ、獣毛油脂や汚れを洗い落とします。

カシミヤ山羊もフケが出たりしますので、そういうのもここで一旦綺麗にします。

≪整毛工程≫洗った産毛を脱水・乾燥し、又選別をして最終的にランク分けされて整毛原料として次の工程を待ちます

 

≪染色工程≫ 基本的にはカシミヤは綿の状態で染めます。又、最低5-6種類の染綿(バラ毛)を丁寧に混ぜて

1色の色を表現します。だから、カシミヤは独特の深味ある色合いになるのですねー

因みに、デリケートなカシミヤを染める時は、極力損傷を与えない様にするために、染色温度

も低温で管理されます。そうすると、カシミヤの風合いを損なわずに染める事ができるそうです。

 

≪カード工程≫ ここから、染色後の原毛がシート状になって、糸の原型へと変わっていきます。。。

この工程でも又、色もより均一化し深みも増していきます。

 

≪合糸工程≫段々、糸らしくなってきます。この工程の技術力如何で斑のない番手の糸ができあがるんですね。

≪撚糸工程≫ 言うまでもありませんが、糸の基本は単糸。それを2本引き揃えて撚りを掛けて双糸にします。

カシミヤの紡毛は大抵が双糸で販売されていますね。2/28.2/26.2/24…が一般的でしょうか。

でも元は単糸なので、色違いを2本撚糸して杢糸表現もできますし、オリジナルで「ミッコ(3子)・

ヨッコ(4子)」と言ったオリジナルの杢糸色を作り出す事もできます。

ここからは、紡績工場ではなく、 ≪ニット工場≫ です。

当時、既に日本製の自動機も設備導入されていましたが、殆ど稼働はしていませんでした。

まだまだ、人海戦術による手横機が主流の時代です。

 

≪インターシャ機の編立ライン≫

やっぱり、どこの工場も編立ては女性が多いです。

昔、広州の方の工場を視察した際にそこの社長が「こういう繊細な作業はやっぱり女性に向いている」そうで、

「男性だとすぐにサボるし、仕事が雑だし…」と言ってました。 それでも、結構な力作業なので、最近は

女工さんを集めるのも至難の業だと…。 この当時はまだまだ稼げる職業だった様ですけどね。

≪縮絨室≫

成型編みで形にしたものを「洗い」➡「脱水」➡「柔軟加工」➡「脱水」➡「乾燥」 の工程でカシミヤ製品の風合い

を決めます

洗剤や柔軟剤等の溶剤類も、整理整頓されていたのでとても安定感がありますね。

こういう所の管理が荒いと、サンプルで幾ら風合いを決めても本生産まで統一できるかどうか不安になります。

後、担当者がタバコばっかり吸っていたり、座り込んでボーっとしてたり、逆におしゃべりばかりしていたり…だと、

脱水時間や洗剤に漬ける時間の管理に不安を感じずには居られません…(;^ω^)

 

≪検品・袋詰工程≫

 

≪梳毛びき工場≫ 当時、イタリーの有名なカシミヤ企業のメンズスーツ生地等も製造していました。

≪布帛の縫製工場≫ 梳毛糸の工場のすぐ横に縫製工場もありました。

≪ストール・マフラーの製織工場≫ フリンジの部分を1枚ずつ手作業で鋏で切り分けています。

≪仕上げ・検品≫

≪オルドス市内唯一のホテル≫

この建物がオルドス市の中心地にあり、当時はこのビルの低層階がオフィスになっており、
海外からのお客さん向けの各種レストランやバー、カラオケルーム等、全ての娯楽施設も
このビルに集約されていました。

≪市街地の風景≫

出張最終日に少し時間ができたので、近隣へ視察に連れて行って頂いた時の車内から
撮った写真です。街に住む人は皆カシミヤ絡みで生計を立てている人達ばかりで、
ここには他に産業はありませんでした。(あくまでも当時、ですよ~(;´・ω・))

この時は、確か街から1.5時間位の所にある「チンギスハーンの墓地」に連れて行って
もらったと記憶しています。

≪市街地の外の風景≫

その途中に見た車窓からの風景は、本当に何もなく。。。
こうしてカシミヤ山羊を放牧している人や、蜂蜜を採るのにハチを放し飼いしてテントで
移動生活をしている人たちを見る程度です。

当時、真に「大地の子」が放映されていた頃。主人公が囚人として送られた労働改造所の
場所の設定が「包頭」で、主人公も山羊や羊を放牧する羊飼いをさせられていたので
その風景と重なり、まさに≪大陸≫を実感した事を今も記憶しています。

そして、何よりも感動したのは夜の星の量です! 今までに見た中で一番の夜景です。
頭ではできないと分っているのに、それでも摑もうと手を空に広げて伸ばしてします…
それくらい近くて、降り注ぐ程の量の星の数なのです。
これはどうにも写せなかったのでとっても心残りですー

数年前に、TV番組で一戸建ての建売住宅が並ぶ、まるでヨーロッパの新興住宅地の様な
風景になっているのを見た事があります。
今も、あんな星空が見られるなら、いつか今度は旅行で訪れてみたいです☆

ー 2013年7月30日

「カシミヤについて」の資料発見☆

こんばんはー。 『インプルーヴ』 です。

先日から資料棚がパンパンになってきて、編地資料や参考文献が
収まらなくなってきたので、手隙の時を見つけては順に取捨選別を
しているのですが、
そんな中で懐かしい資料が出てきたので、記録も兼ねてここに少し
書いておこうと思います。。。

それは、
「cashmere - カシミヤ」

「魅力の天然繊維 獣毛について」

という小冊子。

どちらも社会人1年生位の時に紡績工場の見学に行かせて頂いた時に
頂いた小冊子です。

先ず、本日の記録は
【cashmereの歴史】からー

「カシミヤ」は、その昔インドの北境カシミールの首都・スリナガールで
同地に生育する山羊の毛を製品化し、シルクロードを通じてローマへ運ばれ
時の貴人に愛好された頃から「カシミヤ」の名が起こったー
との事です。
「ローマのシーザがカシミヤ製スカーフを重宝していた事、最初の手織スカーフが
カシミールの首都・スリナガールから運ばれた事、さらに15世紀・ムガール
帝国の
バーブル皇帝時代に既にインドにはカシミヤ産業が存在し、約6万人が作業に
従事していた…」のだそうです。

そのカシミヤ製品の存在が広く知られたのは、そのずーっと後の事らしく、
「…ヨーロッパ商人がナポレオン3世の妻ウジェータ皇后によりこの高価な織物の
存在に気付かされたのが19世紀になってからー」とあります。

ここにも「すべての道はローマから…」を思わせるエピソードがあるのですね~^^

カシミヤの産地については、その名の通り元々インド北部のカシミール州
(Kashmere)に因んで命名された山羊から作られているからだそうですが、
…「現在の主産地は中国を始め、外モンゴル・イランです。他にアフガニスタン
も知られています…」とありますが、この冊子は文頭に書いた通り、
私が業界デビュー当時のもの=約30年程度前の記述という事になりますので、
その辺は現在の知見とは少し違うかもしれませんがご了承を…。

例えば現在なら天山やウルムチより内蒙古(内モンゴル)のオルドス地方等
の方が、生産地として有名かもしれませんね。
製品としてもオルドスカシミヤの名前は有名です。

次に【カシミヤの集荷と格付】については、
「…カシミヤ山羊は全身剛毛(刺し毛・ヘア)に覆われていて、その下に柔らかい
≪産毛≫が生えていて、この毛を採取します。
採取=採毛する方法は、通常熊手状の金具で産毛を梳き取ります。
採毛の時期はカシミヤ山羊の産毛が脱毛する直前の5月頃行われ、その時期が遅くなると、
品質・量共に低下します。
採毛された原毛は、一旦篩にかけられた後、検験局の手によって産毛の含有量
(=ACWC/Actual・Clean・Wool・Cmntent)が検定され、その含有量によっ
て品質表示されます」とあります。

カシミヤの原毛と言えば、
 ・ホワイトカシミヤ
 ・ライトグレーカシミヤ
 ・ブラウンカシミヤ ……
と、採毛時のナチュラルカラーによって価格ランクが違い、勿論ホワイトカシミヤ
が一番高く、その其々のカテゴリーの中でも1級・2級…と等級分けされていき、その等級に
より価格も随分違ってきますので、この価格差が先ずは製品の価格に連動します。

当然の事ですが、

価格=希少性

…ってことですよね。

だから、リーズナブルなカシミヤは希少性の低いカシミヤ=太めで茶色い原毛を
染色している場合が多い…という事になるのかもしれませんね。

ーと言うところで今日はここまで~。

今書きながら、昔出張で行った内蒙古での事も色々思い出しました~。

文章だけつらつら長いと書いてても飽きてしまうので、次回はその時に撮った
工場の写真がどこかにあったと思うのでその写真などもひっぱりだしてきて
続きを書いてみたいと思います☆

では! See You~ 

ー 2013年5月1日

【YAK ヤク】とは…?

こんにちは。 インプルーヴ です。

さて、ここ日本ではゴールデンウィークの中日の平日…という事で、オフィスの周りの
観光地ど真ん中のここ神戸・元町では、心なしか空気もゆる~い感じが致します。。。
そんな空気に引き摺られることなくお仕事せねば~っ( `ー´)ノ
…という事で、本日メインのお仕事は、明日出荷予定になっているクライアントさんの
ニット1stサンプル修正の最終チェックです。

実務はもうほぼ終えているので、後は約20数型分の書類諸々に漏れがないか目を通して
いる所なのですが…
あるニットコートの現在の設定上代が16万円弱になっているのに改めてビックリ☆

こちらのブランドは、ITALY素材の2/26cashmere100%紡毛を使って5Gでマキシ丈コート
約25万円弱でも製品化しちゃうキップのいいところなので、初めて見る金額ではないのですが、
それでも書類を2度見しちゃいました^^; 庶民なもので~www

…真面目な話をすれば、確かにデザイン的にリンキング箇所も多いし手間の掛かる仕様の
箇所もあるし…なので工賃もさることながら、このデザインには「YAK」という動物の毛を
30%混紡のウール100%が原材料に使われています。

しかもロング丈コート。
ロングコート=目付もなかなかのもの…^^; ⇒糸値も半端ないんですね~~o~)

…と、ここで出てきた【ヤク】という動物について、ちょっと触れてみたいと思います。

恥ずかしながら私自身「チベットに生息してる…」程度の認識しか持っていなかったのを、
ここで書きながら改めて気づいたので、ちょっとググってみたところ…

牛科

なんですね~( ;∀;)
…でも、「モーとは鳴かない。低いうなり声で鳴く」とあります。
 しかも、雄限定とは~☆

ヤク -Wikipediaによりますと…

「野生個体は食用の乱獲などにより生息数は激減している[4]。中華人民共和国では法的
に保護の対象とされている[4] (中国国家一級重点保護野生動物参照) 。
1964年における生息数は3,000-8,000頭と推定されている[4]。
…中略…
ほとんどのヤクが家畜として、荷役用、毛皮用、乳用、食肉用に使われている。
中華人民共和国ではチベット自治区のほか、青海省、四川省、雲南省でも多数飼育されている。

食肉用としても重要で、脂肪が少なく、赤身が多く、味も良いため、中国では比較的
高値で取引されている。 糞は乾かして燃料として用いられる。
体毛は衣類などの編み物に利用される。」

…等のように紹介されていました。
捨てる所が無い位人間の役に立っているところも牛と被ります。。。

後、ヤクの毛には“ヤクのダウン”と呼ばれる柔らかい毛の部分があるそうで、
1頭から僅か100gしか取れないらしく、又、その平均3〜4cmの長さのヤクの毛から
わずか18〜20ミクロンしか取れないーという大変大変ラグジュアリーな繊維を持ち、
主にチベット高原に生息する。また、標高が高ければ高いほど上質のヤクの繊維が取れる…
ーと言うような情報を紹介していたHPもありました。

そういえば、この写真のキャプションにある天山山脈というと、cashmereの産地としても
有名な高地です。
ある程度の寒さに生息しているからこそ、皮膚に近い産毛が細く柔らかく暖かくなるんでしょうね。

確かに、今回のサンプルも、糸を見た時は粗野な印象を受けますが、編地になって触ると
その風合いはまるでcashmereの様なラグジュアリー・タッチなので、着心地も抜群です。
ーなので、手に取って貰えれば、この【ヤク】の希少性はきっと感じてもらえると思います。

… 希少性ーといえば …
最近のアパレルさんでは、

 ● 糸値=極力安く!
 ● 縫製工賃=なるべく安く!! 
 ● 縫製工場=極力値切って!!! 
 ● 製造発注=なるべくギリギリまで引き付けて~!!!!
 ● 納品納期=なるべく短く~!!!!

…等が合言葉の様になっていると感じる事が多いのですが、
このクライアントさんのところのモノ創りの姿勢は違います♪

こちらのブランドは、本当にいつも私たちに良い素材を扱う機会を下さいます♪
又、スタッフ皆さんが「今よりもっと価値ある商品だと感じてもらうためには
どうすれば良いのか…」という、クレド(信条)を心の中にちゃんと持っています。
そういう面ではこの世智辛い昨今では大変貴重なブランドさんです。
私達も一緒にモノ創りしていて心地よいですし、共に成長できお手伝いし甲斐もあります☆

誤解無き様に蛇足まで…ですが、単に【価値=高級】ではなくて、そこそこの価格に抑えた
商品も販売します。単なる「値段のお高いブランド」ではないので…

例えば2万円位の商品(2万円が高いか安いかは置いといて…)を作る際にも、必ず
 【その定価より価値があるとお客様に感じて頂ける商品になっているのか?!】
-という目線で製品化へのプロセスを踏みます。
私達も逆に常にそれをスタッフさん達と問いあい、1点1点をそういう商品に導ける様に
アドバイスさせて頂いています。

モノを創る上ではどちらが上でも下でもありません。
常に意見はイーブンで語りあい向上し合える関係が、仕事の上で一番大切だと思います^^

…ここまで書いたら、
「どんな商品なの?!」か………
お見せしてご紹介したい所なのですが…
そこは契約上の【守秘義務】というのがありまして。。

スミマセ-ンッ<(_ _)><(_ _)><(_ _)>

あと半年後、市場の店頭に並んだ暁にはクライアントさんからOKが頂けたらご紹介させて
頂きたいと思いますっ(/ω\)

ー 2013年4月12日

社会と女性の関係性…

こんにちは。 インプルーヴです。

早速ですが、今朝の繊維研究新聞にこの様なコラムが掲載されていました。
内容は日本女性の社会進出についてで、要約すると、まだまだ女性が経営幹部や重責を持つ立場に登用
されることは非常に少ない日本の企業風土の中、一部アパレル企業の中に女性を起用する動きが出てきた…
との内容ですが、どうやらこれは日本に限った事ではなく、世界共通の風潮の様ですー。

2013/4/12 繊研新聞社 視点記事

ーというのも、先日観た【TED conference 】のプレゼンテーションでこの様な発表をしていた人が居たからです。

《 シェリル・サンドバーグ:何故女性のリーダーは少ないのか 》
http://www.ted.com/talks/sheryl_sandberg_why_we_have_too_few_women_leaders.html

この方は、Googleを今の地位に押し上げた立役者と言われていて、今はFacebookのCOOという
肩書きを持つ女性です。

  フェイスブックCOO(最高執行責任者)
  シェリル・サンドバーグ ● 経歴 ●

  1969年生まれ、米ハーバード大卒。
  グーグルに入社した2001年以降、広告事業戦略で手腕を発揮。
  2008年、フェイスブックCOOに就任。2012年6月、同社初の女性取締役に。

シェリルさんが言うには、女性の社会的活躍が少ないのはルールのせいとかではなく、
そもそもの文化や教育に問題があるのではないか…と。

世界中にある民間企業全体でも女性幹部の数は僅か15%程度だそうで、この数字は
2002年以降変化がないのだそうです。

そこで、シェリルさんは世界の女性にこの様なメッセージを送っていました。

1 交渉すること
2 パートナーと平等であること
3 最後までその場に居続けること

 1 交渉すること
「女性は自身の価値を低く評価してしまう傾向にあり、自分を高く売る交渉をしようとしない」から
出世する人が少ないーと。。。
「男性は、出世は自分が勝ち得たものだ、と考えるのに対して、女性は、外的要因に理由を求める
傾向にあると分析されている」と… 幸運だったから、とか、○○さんのお陰…とか。

「…きちんと交渉のテーブルについてください。交渉を行わずに役員室に入れる人などいないのだから。
そして、自身の成功を確信していない人や自身の成功の要因を理解していない人が出世するはずはない。
だから自分を信じて自分の出世を望んでほしい」…と。。。
日本人である自分など、到底苦手で耳の痛い言葉に感じましたが、これって、日本人だけではなく、
万国共通の、男女の性別に伴う、子供のころからの刷り込みというか、教育にあるんですね。。
シェリルさんは、同時にこうも言ってます。
「出世を望む女性は男性から嫌われる、出世と好感度は男性においてはプラスの相関を生むが
女性においては負の相関を生むとデータが示している」…と。
だから「ー同時に、男性には必要のない犠牲を女性は覚悟が必要だと学ばなければならない」

ー現代は、社会全体が、女子より男子が成功する事を望んでいるー  と。。

2、3についてまで説明すると長くなるので続きに興味のある方はこちらからご覧頂きたいのですが、
2は家事・子育ての男女共有について、
3は、結婚・出産・子育て…といった岐路に立つ前にそれを見越して今あるチャンスにブレーキを
踏むのはやめるように警告しています。

日本語字幕付きです^^
《 シェリル・サンドバーグ:何故女性のリーダーは少ないのか 》
http://www.ted.com/talks/sheryl_sandberg_why_we_have_too_few_women_leaders.html

シェリルさんは、最後にこう結んでいます。
「世界の半分の国が、企業の50%が、女性が運営する世界になれば、今よりきっと
もっと良い世界になる」

そして、5歳の息子と2歳の娘に対するメッセージとして、
「残念ながら、私が生きている間に世界のリーダー全体の50%が女性になることは有得ないけど」
と前置きし、
「息子には職場や家庭で十分に貢献できる自由を手に入れてほしいし、娘には、勝るだけではなく、
自分の業績により、人から好かれる自由を持てる様になって欲しいー」と。。。
これには、社会全体の教育や文化の変革が必要なんだ…って事なのでしょうね。

私が企業に勤めた頃も、やはり結婚や出産による離職率は非常に高くて、企業風土としても
「女性は家庭を守る事が一番重要な役割」という考えだったので、出産したら退職するのが暗黙のルール
になっていました。
又、在職社員の家庭を守っている専業主婦限定で「奥様ボーナス」を支給するという制度までありました。
女性がとても多いファッションアパレル企業ですら…です。

ですから、当時自分が6人程の部下を持った時には「彼女たちが結婚や出産・子育てと働くことを
両立できる部署にしよう」と密かなミッションを自分に架して職場環境の整備を心掛けていました。
自分で起業した今はもっとその意識を高く持っています。

ファッション業界のデザイナーやパタンナーを目指してこの業界に入った時点で、皆具体的に自分がやりたい
仕事を選択して日々腕を磨くのに、何故か女性は人生の過程でどちらかを選択しなくてはならない…
その事に密かに反発心を持っていましたが、実はそれこそが刷り込みだ…という事なのでしょうね。

…このシェリルさんの様にはなかなか難しいですが、自分もせめて人生のアクセルは踏み続けられるような
気持ちを常に忘れずにいたいな…と思ったのでした。。。

ー 2013年4月3日

インターシャとジャカード

こんにちは。インプルーヴです。

先週末辺りからここ神戸も桜が綺麗に咲き、どこも春満開ですね~♪
FaceBook等にも、全国からの桜写真がアップされていて、それを見るだけで
十分なお花見ができますwww

FaceBookーと言えば…
このSNSの登場で、今までのMixi等を使っていた時よりも格段にWEBが生活の
真ん中に鎮座するようになって、WEB媒体として様々なものにアクセスし情報を
得ることがいつの間にか当たり前になっていることにびっくりしたりしますが、
それはプライベートだけじゃなくて事業においても同じで、当社もHPやブログに
力を入れるべくそれらに向き合う時間を少しずつでも増やしているのですが、
そうしていると本当に不思議なもので、WEBがなかった時代には全く考えられな
かったジャンルからの引き合いや相談のお話を頂く事があり、本当に面白い
世界だなーと思います。

私の様に転職経験が乏しく、ニットという専門ジャンルのカテゴリーに、好んで
ひたすら在籍している者には本来有得ない出遭いも巡りあいますし、
又、専門分野に特化しているだけに逆に一般の方からしたらどんな事が「ハテナ」
なのかを教えてもらえる場面もあり…

ー今日は、そんな中で最近聞かれた質問をひとつ。。。

それは、
「自分が描いた絵を繊細な薄いセーターにするにはどうしたらいいですか?」
です。

アパレル関係の人でなければ、もしそうでもニットスキルをお持ちじゃなけれ
ば先ずは「できる」か「できない」か?から分らないのかも知れませんね。
でも、今回訪ねてこられたのはアパレルとは全くの別ジャンルの方。。。
どうやら、どこに話を持ち掛ければ良いのかも分らなくてWEBで検索されたら
うちのHPに遭遇したとの事でした。

答えは「できます」です^^

方法は、今日のテーマの「インターシャ」か「ジャカード」かの
どちらかのテクニックを利用します。
インターシャとジャカードの大きな違いは、出来上がりの編地の厚みです。

「ジャカード」は、布帛の織物の手法にも昔からありますので言葉としては
馴染み深いかもしれませんね。
ニットでも、基本的には同じで何色かの糸を切替ながら編み込で柄を出す
方法です。

これはシンプルな市松模様を表現したジャカード柄。
1コースの中に3色の糸を入れて編みこむので、糸3本分の厚みになります。
1コース内の糸の総合番手が太くなるので、編機のゲージも比例して荒く
なっていきます。

裏はこんな感じです。
表に出ていない、残りの2本が裏側で編みこまれているので、それらが
混ざった様な見え方になります。

因みに、2色ならこんなリバーシブルなテキスタイルに編む事もできます。
※表側

これなら、裏面を生かしたデザインを考案することもできます。
今年流行の布帛のリバーみたいに。
※裏側

この様な幾何的な表現だけじゃなく、有機的な柄も勿論表現可能です。
この組織は、「スレッド」という編み方も盛り込んであるので、表面が
フラットだけじゃなく、少し凹みも作り、裏側に回っている糸を表に
覗かせることでもう1色増やした形の表現をしています。
この編地では3色しか使っていませんが、4色に見せています。

最初に図案を描く際には、これら表現に使うテクニックを想定して描き分けます。

裏側はこんな感じ。

同じ図案でも、編組織で柄の出方はこの様に変化します。
下の3枚の写真は、図案は全く同じです。

使用している糸の種類も色も全く同じですが、印象は変わりますよね。

さて、次はインターシャです。
これは、軽く20年以上昔のセーターですが、例としては一番分り易いので
資料として保管してあるのを引っ張り出してきました。

今となってはとても珍しい程にふんだんにインターシャのテクニックを
駆使したデザインで、インターシャの上に手刺繍を重ねて陰影を表現して
います。

【インターシャ】は、色が切り替わる毎に糸を裏で繋ぎ合わせる手法なので
ジャカードと違って厚みが出なくて、1コース内に使える色数も格段に
増えます。

拡大してみます。

裏を見てもらえると、ジャカードとの違いは一目瞭然です。

色が切替わる毎に繋ぎ目があるのがご理解頂けると思います。

因みに、これは風景写真からフィレンツェの「ドゥオモ」をモチーフに
絵を描き、それをゲージに合わせた図案に加工しなおし、加えて刺繍
の図案も私が起こして製品化された当時の製品です。
この頃は丁度クリッツアのリアルな柄表現の一点物っぽいニットが流行っ
ていた頃でこの時は【フィレンツェ】が企画テーマでした。

他にも【スイス】がテーマの時にはこんなな風景画セーターも作りました。

これは、糸の色だけではなく、糸自体も違うものを組合わせて編んで
あります。
例えば、パープルの橋の部分はナイロンモールを使い、橋桁の処には
モヘアを使いました。

これらは1コースの中でかなりの回数を任意に切替えるので、テクニックと
してもかなり高度ですし、商品もそれに応える価値感の高い出来栄えが
期待できます。  …勿論、その分コストもお高くなりますが…(^-^;

又、一か所ずつ手作業で切替えていく手横インターシャ機という編機を使う
ので、国産での生産は不可能です。当時も中国生産です。

1コース内の切替回数がもっと少なくて 単純な柄=アーガイル柄 等は、
クラッシックなインターシャ自動編機で編めるインターシャ柄の代表例で、
一般的にも認知度の高い柄ですが、この手のクラッシックな機械は、色の
切替が大抵1コース内で6回しか出来ません。
だからインターシャの柄の大きさは大体どこの商品でも似てくるのです。

…ですが、特殊な所ではこれも一応自動機です。 
そして18GGなので、かなり薄手のセーターを作る事ができます。

裏をよく見ると、部分的に糸を切らずに上に向かって繋がって編み上げられ
ているのが分ると思います。
糸が繋がっている所は、部分的にシングルジャカード編にする事で切替回数
を稼いでいます。

…とはいうものの、これもかなりの編時間と機械の調整を要するので安価での
製品化は難しいです。
又、国内でもこの機械を持っておられる工場も限られますので、そういう
意味でも希少性は高いと言えるかもしれません。
逆にここまでのスーパーファインゲージでの手作業のインターシャは大変
過ぎるので、自動機の方が現実的かもしれません。

柄の描き方次第でコストもかなり変わってくると思うので、工夫次第では
とても薄くてすっきりした、価値観の高いバリューな柄ニット商品を作る事
ができるかと思います。

…実は、ジャカードだけでも今日ご紹介したのは一般的にダブルジャカードと
言われるもののほんの一部。
もっと詳しく説明するなら、裏側の組織をゴム編にするか袋編にするかミラノ
編にするか…等で柄の出方も厚みも変わってきたりします。。。
本当にニットは奥が深いんですよ~♪

ーあまりマニアックになっても長くなるだけなので今日はこの辺にしておく事に
しますが、こんなマニアックな話題に興味のある方は又読みに来て下さいませ。
^^;

ー 2013年2月27日

2013 Fall Collection NY

こんにちは インプルーヴです。

世間では漸く冬のセールの終盤も終え、遅めの店頭でもすっかり春めいた
色が目立つ今日この頃の街中ですが、私達Fashion業界では次の秋冬物の企画進行の
ど真ん中。
明日も某クライアントさんと次の秋冬ニットのデザイン打合せに伺います。
業界最先端のINTERNATIONAL・BRANDの秋冬collectionも、NY→LONDONを終え、
MILANO-collectionに突入していまして…
全く以って、季節感が無く慌ただしい仕事です^^;

―そんな、毎日発表されるcollectionの中で、今回私が気に入ったデザインは…

Phillip Lim

Phillip Lim 13winter Collection

FUR-加工を施したニットプルオーバー

フィリップ・リムのニットプルオーバー♪

Phllip Lim 13winter collection

日本では数年前から復活している加工のテクニックであるファー加工が
今年は特に目立ちます☆

phillip Lim 13winter collection
このフワモコ感~☆
手にするだけでHAPPYになれそうだと思いませんか?^^

実際に、私達がお店で目にするのは半年以上先になりますが、個人的な
趣味として今から要チェックです(^。^)V

ー 2013年2月15日

記憶に残るお仕事記録 その1

こんにちは インプルーヴです。

ふと、インプルーヴの歴史…というか、アーカイヴみたいな
ものも少しずつWEB上に残して行こうかな、と思い立ち。。。
職種の性質上、具体的な取引先名やその他詳細は明記できないのですが、
その辺りを非公開でしかももう既に一般市場に出回ったものに関して
当社の足跡として今後少しずつ記録していきたいと思います。

ーという訳で……
【Improve の 足跡1】=BRANDの再構築・商品開発ディレクション

これは一昨年暮に考案した、昨年秋冬用4か月分の代表スタイリングを
MAP状にまとめて取引先に提出したときのもの。

この時は、ニットに限らずフルアイテムのデザインまで請負っていたので、
ファブリックのデザインにも具体的な素材まで添付してご提案。

そして、ニットはテキスタイル(編地)開発・ファブリックはパターン
作成~トワルチェックの行程を経て約1・5カ月で、1st-SPL作成。
検討会を行います。

対象世代は40歳前後、アジアの中級富裕層向けでした。

ー 2013年2月13日

新しい出逢い‐「タイコーニット」様

こんにちは。 『インプルーヴ』 です。

当社はニット製品の企画・デザイニングを得意とする会社として発足
13年近くなるのですが、普段お付き合いをさせて頂いている工場さん
は福島県・新潟県・山形県…と言った、東北地方の産地 若しくは中国の
会社が主となります。

実は今まで、神戸市内・又は兵庫県内にニット工場がないか神戸市を
始め色んな機関で都度都度訪ね続けて来たのですが、どちらでもその
存在を聞ける事はなく、特に震災後はもう存在しないのかな…と思って
いたところ、ある糸商さんからこちらの会社のお話を聞き、ご紹介頂い
て先週末漸くその会社をお訪ねさせて頂きました☆

 

ご紹介頂いた会社のお名前は『タイコーニット』 様といいます。
創業されて45年以上になるというその工場さんは、以外にも兵庫県三木市
市内、一戸建ての住宅に囲まれた閑静な住宅街の中にありました。

最近は産地ですら人件費高騰・働き手の確保が難しいー等、様々な
理由から編機だけ残して編立てだけを行い後は外注… と言う様な
分業制で成立している工場も少なくないのですが、こちらの会社は今
も一貫工場の体制を守り続けておられる事にとても驚きました。

先の写真にあるように、自動機による編立ては元よりミシン縫製・リン
キング縫製・下蒸し&仕上げセット・検品まで、製品が仕上がるまでの
一連の行程全てご自分達の目の届く社内に設置、自己完結されている
工場でした。

編機の大半は島精機製で14G~7Gまでの対応が可能との事。
リンキング機はダイヤル式を設置されていました。

総針テープ編機はもちろんのこと、その小ささがカワイイ「丸紐編機」
も直径に合わせて3種。

セット担当の方も検品の方も、長年お勤めされている熟練の方との事で、
こういう方々の存在こそがその会社の信頼を支えているのだと改めて感
じた次第です。

ー最近では、アパレルのデザイナーさん達も出張経費の削減やら色んな
事情で工場に直接出向いて物を作る経験を持たない無い方が当たり前
になってきていますが、『事件はいつも現場で起きています!』www
(ベタですみません^^;)
…なので、やっぱり実際に作って下さる現場の方々と話し込み、
その意図を伝えながら一緒になってもっと良いモノに成長させていく
時間というのは、本当は一番削ってはいけない部分だと思います。
-服に限らずどんなモノを創るとしても、全ては人と人との力の
総力・アイディアの総力で完成するものだと思います。

…機械は勝手に動いたり、勝手に何かを生んでくれたりしませんから(^_-)-☆

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